大切な家族が脳出血を起こして脳動静脈奇形(AVM)って診断された。一体どんな病気なの?後遺症も気になる・・・体験した人の話が知りたい!
このような疑問にお答えします。
結論:妻は数年前に脳出血を起こしましたが、今はとても幸せに暮らしています。
当記事を読めば、脳動静脈奇形による脳出血を起こした人が、術後どのような生活を送っているかがわかるようになります。
それらがわかれば、今現在の不安が和らぎ、冷静に後遺症と向き合うことができますよ。
脳出血経験者の様子が知りたい人はぜひ読んでみてください。
当記事の内容はあくまで一例であり、すべての人に当てはまるわけではありません。
「こんな後遺症やその後があるんだ・・・!」とひとつのケースとして参考にしていただければ幸いです。
言語聴覚士である妻にも執筆を手伝ってもらいました!
それではさっそくどうぞ!
【体験談の前に】脳動静脈奇形(AVM)とは?
脳動静脈奇形(AVM)とは、ひとことで言えば、生まれつきの脳の血管異常です。
患者数はおよそ10万人に1人と言われています。
読み方は「のうどうじょうみゃくきけい」で、AVMと言われることもあります。
脳の血管がお母さんのお腹の中にいるときにうまく作られず、非常にもろく、破れやすいものができてしまうんです。
脳動静脈奇形があることで、通常の人よりも脳出血になるリスクが高くなると言えますね。
ちなみに、検査で事前に奇形がわかることもあれば、わからないケースもあります・・・
10万人に1人とはいえ、なる可能性はゼロではないと思っていた方がいいでしょう。
若くして脳出血になるのは、AVMが多いみたいだよ。
【時系列順】脳動静脈奇形(AVM)による脳出血発症から退院まで
ここからは、妻が脳出血を起こしてから退院までの流れを時系列順に解説していきます。
- 脳出血発症
- 手術
- リハビリ
- 退院
詳しくお伝えしますね。
①脳出血発症
脳出血を発症したときの症状は以下の2つです。
- 頭痛
- 嘔吐
妻は夜寝る前から「頭が痛い。」と言っており、市販の頭痛薬を飲んで入眠。
その1時間後くらいに突然、激しく嘔吐しました。
そのときは介抱してなんとか落ち着いたものの、翌朝声をかけても意識がなかったため、そのまま緊急搬送。
搬送先の病院で「小脳の出血により命の危険がある。すぐに手術が必要。」と言われました。
すぐに救急車を呼べて本当によかったです。
②手術
搬送先の病院でそのまま手術となりました。
内容としては、脳の出血部分を取り除いたり、水頭症(脳に水が溜まる症状)の処置などです。
手術時間は実に7時間半で、予定よりも1時間半ほどオーバーしていました。
幸いにも一命をとりとめ、ICUに入り、その3日後に意識を取り戻すことになります。
意識を取り戻した直後の様子は以下です。
- 何か言葉を発しても不明瞭で8割ほど言っていることがわからない(構音障害)
- 吐き気がひどく一日中寝ており、目覚めている時間も短い
- 目線が合わず、焦点が合わない
- 幻聴・幻覚で危ない人が近くにいると思い込んでいる
- 記憶に問題はなく、自分自身や家族のこともちゃんとわかる
意識が戻った時点で、ICUからSCUという部屋へ移り、治療をしていくのでした。
2週間の入院ののち、転院しました。
徐々に何が起きたのかわかるようになると、まるで自分がパラレルワールドにいるような感覚でしたね。
③リハビリ
転院先は妻自身の勤め先でもあるリハビリ専門の病院です。
当時は歩行器を使っていてもふらついて支えが必要なほど。
話すスピードはとてもゆっくりで、「ありがとうございます。」を一息で言えないくらいでした。
転院をしてからは毎日リハビリに励んでいました。
その結果、ゆっくりではあるものの言っていることも確実にわかるようになり、杖を使って歩けるようになるまでに快復しました。
自分のよく知っている場所に移ったことをきっかけに、幻覚・幻聴は完全になくなりました。
④退院
およそ3カ月の入院を経て、無事に退院。
退院後は元の職場へ戻り、復職しました。
もともと一人暮らしでしたが、結婚を機にそのまま一緒に住むことに。
やや後遺症はあるものの、退院後も大きな変化はなく生活をしています。
【体験談】脳動静脈奇形(AVM)による脳出血の後遺症
ここでは、脳出血の後遺症(現在)についてかんたんに紹介します。
- 失調性構音障害
- めまいやふらつき
- むせやすくなる
順番に解説しますね。
①失調性構音障害
ひとつめの後遺症は、失調性構音障害になったことです。
失調性構音障害とは、小脳の損傷により、話すスピードがゆっくりになったり、言葉の発音が難しくなる症状です。
脳の中でも小脳という部分は、運動や平衡感覚をつかさどっています。
唇を動かす(運動)のが難しくなるので、発声に影響が出るというわけですね。
すでに夜中のときから話すスピードはゆっくりだったので、構音障害の症状は出ていたと思われます。
②めまいやふらつき
ふたつめの後遺症は、めまいやふらつきが時々起こるというものです。
妻曰く、目の前が突然、地震のようにガクガクと揺れる現象がときどき起こるそうです。
また、平衡感覚も出血前と比べるとなくなっており、細かい段差にはつまづく回数が増えたように思います。
気がつくと、身体に青あざができていることもあるので、家の中は極力床に物を置かないように気をつけています。
転院したときは吐き気止めに薬を飲んでいましたが、退院するころには必要なくなりました!
③むせやすくなる
最後は、「食事中にむせやすくなる」ことです。
脳出血を発症して以来、妻は飲みものを飲むときに、口に入れながらゴクゴクと飲み込むことができなくなりました。
要はいったん、口に含ませて一気にゴクッと飲むということですね。
その関係で、食事中にむせる回数はかなり増えました。
【体験談】脳動静脈奇形(AVM)による脳出血後の今の生活
それでは、脳出血を発症し後遺症がある中で、今現在どういった生活を送っているのかを解説します。
- 基本的に自分のことは自分でできる
- 人との会話や電話の通話も問題なし
- 杖を使わずに歩けて、自転車にも乗れる
ざっとまとめるとこんな感じです。
後遺症で特別大きく困っていることはありません。
小さいことは挙げだすとキリがないけどね・・・笑
【体験談】脳動静脈奇形(AVM)による脳出血をしたおかげで得られたこと
最後に、妻が脳出血になったことで得られたことを2つ紹介します。
たくさんありますが、中でもコレだけは伝えたいというものを厳選しました。
- 家族になった
- 夫婦で育休を取った
順番に見ていきましょう。
家族になった
脳出血のおかげで得られたことのひとつめは、「僕と妻が家族になった」ことです。
僕たち夫婦はこの脳出血の出来事があったために結婚しました。
「そばでこれからもずっと妻を支えたい。」
そんな思いから、僕は妻と一緒にいることを決めたんです。
もし脳出血を起こしてなかったら、優柔不断な僕は結婚という決断をしていなかったかもしれません。
夫婦で育休を取った
脳出血のおかげで得られたことのふたつめは、「夫婦で育休を取ったこと」です。
恥ずかしながら、僕は男性でも育休を取れるということを知りませんでした。
しかし、妻から提案があり、ワンオペ育児は大変そうと思ったので、1年間の育休を取ることに。
結果として、家族と一緒に過ごす時間がふえ、とても幸せな毎日を送っています。
まとめ:脳動静脈奇形(AVM)で脳出血になったけど、今はしあわせ!
今回は、妻の脳出血当時の様子や後遺症、今の生活と得られたことについて紹介しました。
内容をまとめると以下になります。
- 失調性構音障害
- めまいやふらつき
- むせやすくなる
- 基本的に自分のことは自分でできる
- 人との会話や電話も問題なし
- 杖を使わずに歩けて、自転車にも乗れる
- 家族になった
- 夫婦で育休を取った
結論としては、脳出血を起こして色々と大変なこともあったけど、今僕たちはとても幸せです。(妻にも念のため確認しましたが、「しあわせ」とのことです。笑)
確かに脳出血直後は、できないことやつらいことなどネガティブなものに目が向きがち。
でも、誰が悪かったとか、あの時こうしていればよかったとかそんなことは何もなくて、ただただそこには事実があるだけなんです。
自分自身を責める必要はまったくありませんよ。
それでも、やっぱり自信が持てないあなたに・・・
「それでも、やっぱり現実を受け入れる自信が持てない・・・」と思われるかもしれません。
そんなあなたには以下の本がおススメです。
若くして、脳動静脈奇形による脳出血を経験したmomoちゃんが、ポジティブに生きていくために必要なことを書いた本になります。
これを読むと、当事者目線による発症の様子や日常生活に戻へ戻る過程を知ることができ、とっても元気をもらえますよ。
自分は決して一人ではないと、気づくことができます。
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それでは今回は以上になります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。